中銀カプセルタワービル

2016.10

黒川紀章が設計し、世界で初めて実用化されたカプセル型の集合住宅である。大成建設が施工し、1972年竣工。丸い窓を開けたカプセルが積み重なったような、独特の外観を持つ。カプセルは25年ごとに交換される予定だったが、コストが高過ぎるなどの理由で、実施されず、老朽化により2007年に解体が決定された。しかしこの解体も解体会社の倒産により実施されず、現在は建て替え派と保存派が拮抗し、保存運動も起っている。

 

黒川紀章による初期の代表作で、建築運動メタボリズム(新陳代謝)を象徴する建築。

メタボリズムとは、もともと新陳代謝を意味する用語であるが、建築も時代や用途の変化に応じ、空間や機能を取り換え成長させればよいという考え方。

なお、黒川氏は政治的には右派で、最近話題の日本会議の代表も務めたこともあり、また2007年都知事選の泡沫候補としての出馬で知られたところである。

 

中銀カプセルタワービルは、現在も住居・オフィスとして使われており、関係者以外は入場することはできない。2018年現在、「中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト」が有料で見学ツアーを実施しているが、私は2016年10月に無料のときに見学できた。ネットで検索してみると、6.5万円などの賃貸物件が見つかる。