琵琶湖疏水

2018.3

大津市観音寺から京都市伏見区堀詰町までの全長約20kmの「第1疏水」、全線トンネルで第1疏水の北側を並行する全長約7.4kmの「第2疏水」、京都市左京区の蹴上付近から分岐し北白川に至る全長約3.3kmの「疏水分線」などから構成され、現在も京都に琵琶湖の水を供給している。

第3代京都府知事の北垣国道は、明治維新の東京遷都による沈滞からの復興策として琵琶湖から水を引き、その水の力で産業振興を図る「琵琶湖疏水」の建設を計画した。疎水の水力による工業や水運による物資の運搬を盛んにすることが図られた。

田邉朔郎などとともに1885(明治18)年に着手した工事は、約5年の歳月を費やして1890(明治23)年に完成した。

小学生の頃、社会科の郷土学習で琵琶湖疏水の古い8ミリ映画を観た。その中で船で下っている映像があり、魅力を感じ、船で下ってみたいと思った。高校生の頃はゴムボートで下れないかと妄想したが、実現しなかった。

2018年3月、この琵琶湖疏水を通る船が観光船として67年ぶりに復活した。これはぜひとも乗りたいと思い予約し、乗船した。思ったよりも琵琶湖と蹴上は近いように感じたが、実に気持ちの良い船旅であり、産業遺産を楽しむことができた。