丸型ポストとは、正式には「郵便差出箱1号(丸型)」という。本体の高さ約135cm、直径約40cm。根石の高さ約20cm、直径約60cm。1949年に登場したこのポスト、現在も相当数がまだ現役のようですね。
私は小学生の頃、どういうわけか郵便業務に惹かれ、将来は郵便配達員になりたいと思ったものでした。それで、郵便ポストにも注目していて、ポストに書いてある集荷時間表をチェックして、集荷時間前にポストの前で待ち、郵便集荷の人がポストを開けて郵便物を持っていくのを、見ていたりしたこともあるのを思い出します。
小学生のときは、京都市に住んでいたのですが、当時京都市ではすでに丸型ポストは非常に珍しかったです。丸型ポストを見つけると、「あー、丸型ポストだ」とうれしく思ったものです。
のちに、郵便業務への関心から、切手を集めたりもしました。また、風景印を押しに郵便局を回ったりもしました。年賀状配達のアルバイトや仕分けの深夜のバイトもしました。しかし、やがて関心興味が遠ざかりました。
さて、丸型ポストについてですが、高校を卒業後、いくつかの都市部に住んだけれど、いずれも丸型ポストは稀少か皆無でした。旅行や山歩き等でいなか地域に行ったときに、丸型ポストを見かけて、「久しぶりに会ったなあ」と思うくらいでありました。
ところが、その後、東京の多摩地域に住んだところ、小平・小金井・国分寺・国立市あたりには、丸型ポストがけっこうごろごろ立っているのです。このあたりの丸型ポストは、道にふんぞり返っているのではなく、道から一歩下がったところや、壁に埋め込まれたような形で、立っているのもあって、けなげだなあと思います。市街地でこんなに丸型ポストが立っているのは、このへんの郵便局の方針で残していこうということなのかもしれません。もしそうならば、そのような方針を支持するものです。
丸型ポストは温かみがあります。四角いポストは無機質だが、丸型ポストには「おう、今日も立っとるなあ」と思うのです。観光地などには変わったポストもあるけれど、やはり素朴な丸型ポストがいちばんいいと思います。丸型ポストを防衛しよう。(2002.1記)